I met pretty girl in Moldova
やっと!美女写真

2013.10.21 / Moldova(Briceni~Balti) 本日 自転車113km走行 : Total 49615km走行
天気:晴 自転車折りたたみ:1
朝飯→パン 昼飯→ハンバーガーなど 夕飯→ハンバーガー / 宿→野宿

(English)
 I run on Moldova road.



 朝、いつものように、自転車と荷物を宿の入り口まで運び、自転車に荷物を装着して、走り始める。よく晴れた気持ちのよい朝。今日もいい走りができそうだ、とペダルを漕ぐ足に力を入れようとした時、

 「ハロー」と、呼ぶ声が横から聞こえた。

 自転車を止め、声のした方を見てみたら、ピンクのダウンを着たかわいらしい女の人が、こちらに向かって手を振っている。

 ん~、誰か友達でもいるんかいな?とキョロキョロ周りを見渡してみたのだが・・・周囲には誰もいなかった。この方向にいるのは、オイラ一人。

 ってことは、あの子は、オイラに向かって手を振っているのでは!?

 急に、ドキドキ。美女にはこちらから行かないと何も起こらないと思っていたのに、まさか、あちらから来てくれるとは。こんな展開、予想だにしていなかった。

 手を振りながら、近づいてくる美女。いや、でも、こんな子がオイラに・・・何かの間違いですわ。うん、きっと人違い。

 と、思ったりもしたのだが、人違いなんかではなかった。その美女は、オイラの前にやってきて、オイラに向かって、オイラがオイラであることを知って話しかけてくれたのだ。

 「アナタ、昨日、あの宿で男の人と出会ったでしょ。あの人、ボーイフレンドなのよ。彼から、アナタのことを聞いて、私、興味を持っちゃって。でも、明日には出発するって聞いてたから、会えないとおもっていたの。それなのに、通勤途中のこの道で、アナタらしき人をみかけて。ラッキーだったわ」と、彼女。

 いえいえ、ラッキーだったのは僕の方。昨日、タクシーの運転手にあのホテルを教えてもらえなかったら、宿のおばちゃんが英語を喋れていたら、あの男の人には出会わなかったかもしれない。そして、今朝、このタイミングで、宿を出発しなかったら、彼女が、オイラを見かけて声をかけてくるなんてこともなかったのだ。

 これって、運命の出会いってやつじゃないですか?

 ・・・いやいや、今「ボーイフレンドがいる」って聞いたばかりだし。いや、待てよ、ボーイフレンドって、単なる男の友達って意味にもとれるぞ・・・

 なんて、ことをグルグルと考えていたところ・・・

 「私、ダナ。ヨロシクね」

 と手を差し伸べてくれたダナちゃん。慌てて握手。

 ほわわ~、ま、彼氏がいようがいまいが、関係ないや。この子と知り合えたってことだけで、満足。ポーランドから願っていた<美女とお知り合いになりたい>という想いが、見事に昇華された気分。

 やっぱり、願っていれば、いつかはかなうもんなんですねぇ。I think I canだぜ。いや、でも、今回は、とにかく、運。この偶然の連鎖は、誰かが導いてくれたからって考えないと、ありえない。あ、そうか、旅の女神様か・・・この運命の演出は、多分、オイラの旅の女神様のいたずら。ま、いたずらであろうともなんであろうと、ダナちゃんに出会わせてくれた、旅の女神様にはマジ感謝。

 簡単ながら、オイラの旅の話をダナちゃんに。大きな目をキラキラさせながら、聞いてくれるダナちゃん、う、かわいすぎるぜ。

 しかし、残念ながら、ダナちゃんは、通勤途中。これからお仕事に行かねばならないとのこと。う~ん、ま、しょうがない。しかし、この運命の瞬間は、ちゃんとカタチにして残しておきたい。「写真を撮らせてくれる?」とダナちゃんにお願いしたところ、「喜んで!」と、ニッコリ微笑んでくれた。

 で、撮影後、「撮らせてくれた写真を、渡したいんだけど、Facebookとかやってない?」って聞くと、「Facebook、やっているわよ」といって、アカウント名を教えてくれた。やったぁ、これで、この後も、ダナちゃんと連絡が取れるじゃん。

 昔は、旅先での出会いなんて、一期一会、その場限りのものだったのに、インターネットが出て来て、その後も簡単に連絡がとれるようになった。さらに、FacebookのようなSNSが、<その後のつながり>ってやつを、容易にする。電話やメールは、<毎回>お互いの合意を得ないと<つながらない>のだが、Facebookは、最初につながっちゃえば、その後はある意味<つながりっぱなし>。この<つながりっぱなし>な感じをユーザに提供したのが、Facebookの新しさ。全世界の人がハマッている要素だと思う。もちろん、この<つながりっぱなし>であることは、いい面だけじゃない。相手との距離感のとり方が難しくなることもあるのだ。それが嫌でFacebookから離れていく人がいるっていうのも、また事実。

 さてさて、オイラとの立ち話のせいで、時間がギリギリになってしまい、小走りで駆けていくダナちゃんの後ろ姿を見送り、オイラも出発。

 いやぁ、今日は、もう、終わったって感じだ。一日の<経験度>を全て使い切っちゃったよ・・・と思っていたのだが、モルドバは、これだけでは、終わらせてくれなかった。

 心地よく走って、次の町に到着。バス停の裏あたりが、ちょっとした市場になっていて、サンドイッチなどの軽食が食べれそうだったので、小腹を満たすために、立ち寄ることに。自転車を持ったままだと、奇異な目でみられて怪訝な顔をされるかな、と思っていたのに・・・オイラを見たおばちゃんが「なに、アンタどこから来たのさ。ベトナム?」と、ニコニコ顔で話しかけてきた。あれ~、やっぱり、モルドバの人ってなんか違うぞ。他の東欧諸国は、見て見ぬふりをするっていうか、あえて向こうから絡んでくるようなことはない。むこうから、特におばちゃんが、声をかけてくれるなんて、他の東欧ではなかった。そんなのはラテンの国、そう、スペインとかイタリアとかくらいだったのに。

 後で知ったのだが・・・実は、モルドバって、東欧では珍しいラテンの国だったのだ。お隣のルーマニアの国名の由来は、<ローマ人の国>。古き時代、ローマ人がこの地域に入植し、ラテン化していった末裔が、ルーマニア人とのこと。そして、モルドバは、第二次世界大戦で、モルドバ領がソ連に組み込まれてしまい、別々の国となったという経緯があるのだが、もともとルーマニアと同じ国だったらしい。ということで、モルドバの人たちもラテン気質。

 なるほど、それで納得。おばちゃんから買ったパンを、その場でモソモソ食べていたら、「飲み物ないと食べにくいだろ。ちょっと待ってろ」と、一人のおじさんが、別の店に入って、わざわざコーラを買ってきてくれ、しかも、それを、オイラにプレゼントしてくれた。

 なんで、見知らぬオイラにこんなことを?と、その時には思ったのだが、モルドバがラテンの国と知って、全て納得。ラテンの人って、こういう人たちなのだ。

 夕刻、そろそろ宿を探さなきゃいけないって時刻にも関わらず、「おう、どこから来た?ベトナム?」と、話しかけてきた後、そのまま話し続けて、オイラを、宿探しに向かわせてくれなかったおじさんたちの、ちょっぴり迷惑なフレンドリーさ、なんてのもあるのだけれども。

 おかげで、到着した宿がすでに満室になっちゃってて、今日は、町の外れで野宿しなくちゃいけなくなったのだけれども。

 いやぁ、でも、モルドバ、楽しいぞ。ただ走っているだけだったから、東欧チャリ旅は、もういいや、早く終わらせちゃおう、と思い始めていたところだったのに・・・こりゃ、まだまだ終われないや。うん、来て見ないとワカラナイ、走ってみないとワカラナイ。こういう変化を、ダイレクトに感じ取れるのが、チャリ旅。面白い。




































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