No Problem?
ロベルトさん・・・いきあたりばったりすぎです

2013.9.30 / Poland(Warsaw~Natkow) 本日 自転車0km走行 : Total 48601km走行
天気:晴時々曇 ネット:1
朝飯→スープ 昼飯→スープ&チキン 夕飯→キャンプ飯 / 宿→川辺で野宿

(English)
 I went to farmer's house where Robert's Kayak left.



 昨日の晩、ロベルトが「ヨシ、明日から川下りに行こう」と言い出しまして。「明日から!?」・・・実は、マイ・カヤックを持っているロベルト。オイラがポーランドに遊びに行くよと、最初に連絡した時から「ヨシが来たら、カヤックでの川下りに連れて行ってあげるよ」と言われてはいたんです。

 シェンゲン期限には、まだもうちょっと時間的余裕がありながらも、急いでいたのは、この川下りで、時間がとられることを見越しての行動だったのだ。

 それにしても・・・オイラの中では、もうちょっとゆっくりしてから行くつもりだった。明日からですか。ま、ワルシャワの街観光はもう終えたことだし、このままワルシャワに残っていても、ウダウダするだけだから、いいか、と思い、ロベルトの申し出に反対することなく、明日から出発することに。

 そんな流れだったので、オイラにとって、明日というは、若干唐突だったのだが、言いだしっぺのロベルトも、思いつきで明日から行くことにしたようで、言い出してから、あれやこれやと、出発の準備を始めた。

 まぁ、まぁ、こういうのは、慣れていれば、別にそんなに準備に時間がかかるワケでもないですから

 ・・・と思っていたのだが、今日の出発直前まで、バタバタ。うむむ、ロベルトさん、こんないきあたりばったりな感じで、大丈夫っすかね?

 ちなみに、川下りは、4~5日間の予定。

 さてさて、ロベルトのカヤックは、今、ポーランドの南にあるスロバキアとの国境となる山脈からワルシャワへと流れているWisla River(ビスワ川)のほとりにある農家に預けてあるという。ということで、まずは、そこまで交通機関を使って行かねばならない。車は留守中にドミニカさんが使うので、乗っていくワケにはいかないとのこと。じゃぁ、バスで行くのかいな、と思っていたら・・・インターネットでなにやら作業をしていたロベルトが「よし、車を押さえれた。明日は、相乗りしていくよ」と言ってきた。「アイノリ?」

 なんでも、今や、インターネットで、同乗者を募る、ライドシェアなるコミュニティサイトがあるらしい。ちなみに、この手のサービス、日本でもあるらしくて、調べてみたら、<のってこ!>とかいう日本版ライドシェアコミュニティーサイトを発見した。世の中、知らない間に、いろんなサービスが出てきているんですなぁ。

 「バスで行くよりこっちの方が安いからさ」とロベルトは言うものの・・・どうやら、同乗させてもらうことになった車は、ダイレクトにカヤックを預けてある農家の村に行くワケではないらしい。同乗させてもらう車の予定ルートからは、だいぶ迂回しないと、農家の村には辿り着けないようなのだ。「ま、運転手に交渉すれば、なんとかなるでしょ」と、ロベルト。

 う~ん、そういうもんなんすか?オイラはライドシェアなるサービスを使ったことはないので、なんともいえないけど・・・ヒッチハイクの経験からすると、行き先以外の場所に寄ってくれるなんてことは、よっぽどいい人じゃないとやってくれないし、それより何より、オイラの大量の荷物を積ませてくれるような車って、セダンタイプの車じゃ難しいと思うんだけど。

 と、一応ロベルトには言ったものの、楽天家でマイウェイなロベルトは「大丈夫、大丈夫」と言うだけだった。

 そうそう、荷物に関して・・・カヤックで川を下るワケだから、なるべく身軽で行ったほうがいいんじゃん、って思っていたんですが、「ヨシは、川下りの後、南の方に走っていくんだろ?だったら、荷物は全部持っていったほうがいいよ。戻ってこなくて、そのまま行けるからさ。カヤックに乗せられるかって?大丈夫、大丈夫」と、ロベルト。

 で、お昼頃、大通りの待ち合わせの場所にやってきた車は、セダンタイプだった。そして、案の定、オイラとロベルトの荷物をみて「こんなに荷物があるなんて聞いてないよ」と拒否モード。やっぱり・・・と思ったものの、マイウェイなロベルトは強引に、後部シートにオイラの荷物を詰め込み、「積めたじゃん」と。満足そうなロベルトの顔とは対照的に、渋い顔の運転手さん。こういうことには、気を使っちゃうオイラとしては、ハラハラしながらも、成り行きにまかせるしかない。

 とりあえず、全荷物を乗せてもらって出発することはできたのですが、やっぱり、運転手さんの印象はよくなかったらしく、ロベルトが、「行くルートをちょっと変えてくれない?」とお願いしたところ、「いや、無理!」と、こちらは断固拒否された。

 まぁ、おしゃべり好きなロベルトが、四六時中しゃべりまくったせいで、車内の空気は、重苦しいものにはならなかったのでよかったのだが・・・

 結局、カヤックがある農家の村からは、だいぶ離れた場所で降りることになった。「しょうがない。ここからは電車でいくか」とロベルト。で、15分後に出発する電車のチケットを買った後に、「腹減ったな。飯にしよう」とレストランへ。電車に乗り込むまで時間があまりないので、ハンバーガー的なファーストフードですませるかと思いきや、ロベルトが頼んだのは、スープとチキンプレートという、がっつり飯。え?あと15分しかないんだけど・・・「大丈夫、食べれるよ」というロベルト。が、やっぱり時間内に食べきることはできず。電車到着のアナウンスに慌てて、食べ残したまま、プラットフォームへ。

 そして、やって来た電車に慌てて乗り込んだのだが・・・ポーランドのローカル電車って、ちょっと特殊な構造をしてまして。車両の片脇が通路になっていて、反対側の脇に8人くらいが座れる個室の座席がある。で、その個室座席は、人でいっぱいで、荷物を入れるスペースなんかない。「荷物を置けないんだけど」とロベルトに言うと、「通路に置いておけば大丈夫」とロベルト。え~、迷惑になるじゃん・・・と、思いながらも、そこにしか置けないので、通路に荷物を並べ置くオイラ。ちなみに、この通路、人一人がやっと通れるくらいの細いもの。案の定、駅に停まる度に、乗り降りする他の乗客たちが、迷惑そうに顔をしかめながら、オイラの荷物をまたいでた。

 う~ん、こうも、強引にコトを進めて、平然としていられるロベルトさんの肝っ玉というか、平然としていられるところというか、楽天的なところが、ある意味羨ましい。オイラも大概、ずうずうしいところがあって、楽天的だが、ロベルトほどじゃぁない。

 さて、1時間ほど電車に乗ったところで、目的の駅に着き、電車を降りる。ま、とりあえずなんとかはなったな、と、ホッとしたのだが・・・まだ終わりではなかった。どうやら、ここはまだ、農家の村ではないらしい。ここから、さらにバスに乗らねばならないとのこと。が、もはやすっかり日が暮れてしまい、最終バスも終わってしまったらしく、乗ろうにも、バスがない。「タクシーで行くしかないか・・・」

 ということで、タクシーで、農家の村へ。結局電車代、タクシー代がかさんでしまい、ワルシャワからバスを使ってストレートに村に行くよりも、余計にお金がかかってしまった。

 いやぁ、ロベルトさん、いろいろと、いきあたりばったりすぎだからですよ・・・まぁ、いきあたりばったりでも、なんとか到着できるから、いいんですけど・・・しかしながら、このロベルトの調子で、この先のカヤック川下りをするのに、若干不安を感じ始めたオイラ。でも、まぁ、お世話になるってのに、そんなことを思うのは、失礼だよ、と心の中に秘めておくことにしたのですが・・・

 まさか、その不安な予感が早速明日、的中することになるとは、この時はまだ知る由もないオイラであった・・・

 さてさて、とにかく、なんとか今日中に到着した、カヤックを預かってもらっている農家の家。ここの味のあるファーマーご夫婦が、「よく来た!」と、迎え入れてくれた。ちなみに、このお二人、別にロベルトと知り合いってワケではないらしい。前回川下りをした時、川下りを終えるにあたって、大きなカヤックを自宅に持って帰るのは大変だから、たまたま近くにあったこの農家の家に、置かせてもらったってだけの関係とのこと。そんなお願いも、喜んで受け入れてくれるのが、ポーランドの田舎の方々の優しさ。そして、連れ添いでやってきたオイラにも、お茶を入れて振舞ってくれたりと、めっちゃ親切にしていただきまして。

 さらに、「夜は冷えるから、家の中で寝るか?」とお誘いしてもらったりもしたのですが、ワイルドライフを体験しにきたオイラたちとしては、初日から甘えるワケにはいかない。「大丈夫です、外で寝ます」と、二人声を揃えて答える。ロベルトの「大丈夫」が、ホントに大丈夫なのか、疑心暗鬼し続けたオイラも、ココで、初めて、ロベルトの「大丈夫」に同調。

 そして、農家の裏の川辺にテントを張らせてもらった後・・・その辺に落ちている木々を拾って火起こし。さすが、ロベルト、こういうことは慣れていて、あっという間にキャンプファイヤー。いやぁ、長い期間自転車旅をしているわりには、木々を拾っての火起こしなんて、めったにやらないオイラ。ガソリンストーブ、ガスストーブを持っていると、それに頼っちゃって、わざわざ<焚き火>なんてやらないもんなんですよ。

 そして、起こした<焚き火>で、ロベルトは、飯を作ってくれた後、ミルクを温めてくれ、ホットココアを作ってくれた。カラダを外から暖めてくれる焚き火からの熱、そして、カラダを中から暖めてくれるホットココアの熱。あ~、温まる・・・

 ガソリンストーブやガスストーブでは、こんな温かさは得られない。なるほど、寒い夜のテント泊は、こうやって暖をとればいいのか、と今更ながら、教えられるオイラ。

 うん、いい機会だ。ロベルト先生に、アウトドアライフのノウハウをいろいろと伝授してもらうことにしよう。今のオイラは、なんちゃってアウトドアチャリダーでしかないんで・・・この川下りを終えた頃には、真のアウトドアチャリダーに変身できているといいな。






















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