(English)
I run on Norway road.
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何度も何度も、翌日の天気に裏切られ続けているノルウェー旅。ノルウェーでは明日に期待しちゃいけないってのは十分分かってはいるんですケド・・・それでも、昨日の夜までは、ひょっとしたら明日はいい天気になってくれるかもという淡い期待が、まだ心の中に僅かながら残っていたんです。
が、もう、その僅かに残っていた期待は捨てることにしました。今日は朝、大雨。っていうか、昨晩遅くから、雨が降り始め、朝になっても止む気配が一向にない。少々の雨だったら、出発準備をして走り始めるところなんですけど・・・もう走るのもいやになるくらいの雨が降ってまして。
とりあえず、雨が小降りになるまで、テントの中で待機。テントの中には、雨水が若干浸水してきてはいるんですけど、荷物は基本的にフル防水状態なので、中身が濡れることはない。さて、こんな時には、コシュカシュ。電気が無い状態で、時間をつぶすのなら、ひたすらコシュカシュを振ってます、ハイ。
なかなか降り止まなかった雨は、午後になってようやく小ぶりになってきた。よし、じゃ、走り始めますか、と、テントをたたんで、荷物を装着し、走り始めたのですが、再び雨の降りが激しくなってきちゃいまして。雨宿りのスーパーに辿り着くまでに、びしょぬれ状態に。
とりあえず、お腹がめっちゃ空いていたので、スーパーに入って、食材の買い込み。で、買い込んだ食材を、スーパー横に設置してあったテーブルに広げ、遅い昼食を食べていたところ・・・一人のおじさんが声をかけてきた。
「自転車で旅をしているのかい?」
ええ、ということで、オイラの旅話をしたところ、なんだかとても喜んでくれまして。で、おじさんが「魚は好きか?」と聞いてくるので、「ええ、好きですよ」と答えると「じゃぁ、ここで、ちょっと待っていろ。家の冷凍庫に腐るほどあるんでな。持って来てやるよ」と。
いや、ありがたい。ん?ひょっとして、おじさん甘えさせてくれるのでは、と思い「できれば、今晩泊めていただけないですかね?」と無茶なお願いをしてみることに。
そしたら「ん、いいよ」と即答してくれまして。
今日も雨の中テント泊は勘弁、と思っていたので、涙がでるほど嬉しかった。
さて、ということで、お世話になることになったベルトラムおじさん宅。が、車で来たおじさんは、「この先5kmくらい行ったところを左に曲がったところに家があるから。この車を庭に停めておくからそれを目印にして来てな」と言い残し、早々と車で去っていってしまった。
その後、一応言われたとおりに行ってみたのだが・・・5km地点くらいには、たくさん左折道路があり、どれを入っていったらいいのか、分からない。たぶんこれだろ、と適当な道を選んで入ったところ・・・見事に正解。ベルトラムおじさんの車が庭に置いてある家に辿り着いた。
こういう勘は、旅を続けることで養われる。以前のオイラだったらたぶん、おじさんの家に辿り着くのは不可能だっただろう。これはそろそろ5年経つ旅の経験が成せる業なのだ。
さて、おじさんの家では、早速濡れてしまったもろもろを乾かしてもらいまして。
で、腹減ったかといわれたので、条件反射的に「ハイ」と答えたオイラ。実は、先ほどスーパー前で、たらふく昼飯を食ったため、実はそんなに腹は減ってはいなかったのだが・・・そんなオイラに、おじさんは生のニンジンを一本くれた。ん?ニンジン?しかも生?最初、これは何かの冗談かと思ったのだが、どうもそうではないらしい。真面目にもてなしとしてニンジンをいただくことのようだ。
とりあえず、いただいた生ニンジンをポリポリかじりながら、夕食の用意を始めたおじさんのお手伝い。まず、海老の殻取り作業から。海老の身の部分だけを使うというので、殻を全部とってしまうとのこと。日本だと殻ごと食べるんですけどねぇ。というか、剥いた殻だけでも食べますよ、これはこれでカルシウムたっぷりですから、と、殻を剥きながら、剥いた殻をパリパリ食べるオイラ。
さて、そんな海老を使って、ベルトラムおじさんが作ってくれたのは・・・海老オムレツだった。絶品。
その後、お世話になったということで、ムビラ演奏をおじさんに披露したところ・・・おじさん、趣味でピアノとか弾いちゃう人だったらしく、じゃぁ、お礼のお礼ってことで、と、見事なピアノ演奏を披露してくれちゃった。え~、こんなに弾ける人の前で、得意げにムビラ演奏したとか、こっぱずかしいんですけど・・・というか、お礼のお礼をされちゃったら、そのお礼をしなきゃいけないんだけど、そんなにお礼レパートリーがあるワケじゃないし・・・うむむ、人の優しさの連鎖ってやつは、尽きないもんだな。今度はお礼のお礼返しを考えておかねばならないよ。
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