We can't go to Lagos Island
ラゴスのメイン、ラゴスアイランドへ・・・行こうとしたんですケド

2013.7.8 / Nigeria(Lagos) 本日 自転車0km走行 : Total 45802km走行
天気:雨時々曇 ネット:1
朝飯→ドーナッツ 昼飯→アマラ 夕飯→米飯&ソース / 宿→ケニーの知り合いのホテル(シングル1500ナイラ)

(English)
 I stayed in Lagos.



 婚約式を含めると3回も結婚パーティに参戦させてもらい、すっかりヨルバの文化を堪能できたオイラ。ラゴスでの目的は達成できたので、明日にはラゴスを出発するよ、とケニーに伝えたところ、「せっかくラゴスに来ているんだから、ラゴスの中心地であるラゴスアイランドに連れて行ってあげるよ」と言ってくれた。

 そう、今、ラゴスに滞在してはいるのだが、広いラゴス。今滞在している場所は、ラゴス中心からはだいぶ離れている。日本で例えると、日本に観光に来た外国人が、三鷹にある知り合いの家に泊めてもらって、東京に来ているぜ、って言っているような状態。

 ラゴスの、東京の都心にあたる場所は、ラゴスアイランドと呼ばれる、島部分でして。今日はケニー姉弟の一番上のディオラ姉さんが車を出してくれるということなので、便乗してラゴスアイランドへ連れて行ってもらうことに。

 が、走り出したものの、車が全然進まない。道が大渋滞状態なのだ。そう、ラゴスは慢性の渋滞に悩まされているという話は聞いていた。が、実際こんなにひどいものだとは・・・ホント、全然前に進めないのだ。ちょっと前の日本の帰省ラッシュ時の高速道路のような感じ。これが毎日だっていうから、驚き。

 ラゴスに人が住みすぎている(ラゴスの人口は今や、22百万人らしい。多すぎ・・・)っていうのが、原因のようなのだが、それ以上に問題を大きくしているのは、インフラの不備。車が多くなってきたのなら、それに伴って道路を増設したりすればいいのだが、ナイジェリア政府はそういうことにお金をつぎ込まないらしい。なので、穴ぼこだらけ、雨が降ったら水溜りだらけとなる狭い道路に、車がギュウギュウ詰めで入り込み、よけい身動きが取れない状態に陥ってしまうという悪循環が発生している。

 ナイジェリア、石油が取れる国なので、国として収入がないワケではない。というか、周辺諸国に比べたら、相当大きなお金が国に入っているはずの国なのだ。それなのに、道路は荒れ放題だし、未舗装道もまだまだ多いというひどいインフラ状況・・・コレに関しては、あとからザックにいろいろ聞いたのだが、せっかく国庫に入ってきた石油によるお金も、ほぼ独裁状態である大統領が、搾取していて、国民生活には還元されない、ってのがナイジェリアの実情らしい。

 そういえば、アブジャに行ったとき面白い光景にでくわした。ザックと一緒に道路を渡ろうとしたら、道端で立ち尽くしていたおじちゃんとおばちゃんが慌ててオイラ達を止めてきた。なんでも、この道を大統領の乗った車が通るので、通過するまで渡らずに待っていろというのだ。ああ、すぐに通るのかなと思いきや、結局そこで1時間待ち。その間、その道路は人が渡れないどころか、車も通行禁止となり待機状態。セレモニーとかじゃなく、単に大統領が乗った車が通るってだけで、こんなにもモノモノしい状況になるとは・・・ナイジェリアでは大統領の権限がいかに強力であるかを感じさせられた光景でしたねぇ・・・

 ちなみにひどいのは、道路だけじゃない。電気も全然供給されず、どの家庭にもほぼ確実に一台以上のジェネレーターが備え付けてある。産油国だけあって、確かにガソリンは安いのだが・・・しかし、電気は各家庭でジェネレーターで発電しなきゃいけないってのは、効率悪すぎる。工場などの操業も大変らしい。ナイジェリアは、教育水準が高く、国として発展できる要素があるっていうのに・・・こうしたことが足をひっぱっているってのが、ナイジェリアのジレンマ。

 全然先に進まない車内から、外を眺めていたら、無理やりわき道を走った後、横入りしようとした車が、並んでいた車に衝突し、大喧嘩に・・・という一連のシーンを見ることができた。この風景、ナイジェリアではよくあることらしい。なるほどねぇ、ナイジェリアのドライバーのマナーが悪いってのは、不備なインフラが起因しているのか。道路がひどい→渋滞→イライラする→横入り→衝突→更に渋滞→イライラ→運転が荒くなるという負のサイクル。

 このまま行ったら到着は夕刻になるかもしんないし、到着しても、今日は雨がガッツリ降っていて、周囲のいい景色なんてまったく見えない。やっぱり、行くのやめようか、ってな話になり、Uターンして戻ることに。

 いやぁ、目的は達成できないドライブでしたが、ナイジェリアの負の一面を垣間見ることができ、オイラ的には面白かった。

 さて、夜、いよいよ明日はラゴスを出発することにしたので、ケニー宅での最後の夕食。と、その前に、ザックから連絡が入りまして・・・「ヨシ、ケニーのファミリーは好意でキミを迎えているから、特にお礼とか要求するようなことはないだろう。でも、何かしてもらったら、何かを返すっていうのがアフリカ式お礼なんだ。そこのところ、頭の片隅に入れておいてくれ」と。

 うむむ、ケニー一家のご好意にただ甘えるだけ甘えて、ラゴスを去るところだった、オイラに、ザックからの言葉はザクッときた。遠まわしに言ってくれているけど、ちゃんとお礼をカタチとして示せよってことなのだ。確かに、ザックの言うとおりだ。すごくよくしてもらったことに対して、「気持ちとして感謝してますから」って、言葉で言うだけでいいのか、っていう葛藤は、旅先でお世話になるたびに、抱いていた。さようなら、と別れる時、いつも、やり残し感が、心に残っていた。

 ただ、お返しとして何をすればいいのか・・・ケニー宅は、見た感じ結構裕福そうな家庭で、モノには困っていなさそう。さらに、石鹸とか洗剤とか日常的に使いそうな消耗品も、結婚式後のお返しとして大量にもらっていたのをこの目で見ているんで、それらを贈ってもしょうがない。

 お金を置いていくってのも、何か違う気がするし・・・オイラなりにできることで、喜ばれそうなことは・・・と悩んだ時に目に入ったのが、部屋の片隅に立てかけておいたバラフォンだった。

 そうだ、オイラにはバラフォンがある。お礼の気持ちを込めて演奏するバラフォンを聴いてもらおう、と思いまして。

 思いついたのはいいのだが、しばらく叩いていない。慌てて夕食前に部屋で復習練習して、お礼演奏に備える。で、ケニー宅に行って、まずは夕食をいただいたのだが・・・夕食後にはお礼演奏をするというプレッシャーで極度に緊張してしまい、食べたものの味がまったく分からず。

 そして、いよいよ、食後に、演奏会開始。アガリ性のオイラ、人前で何かをするってことは大の苦手なのだが・・・音楽ゴトに関してだけは、バンドのドラムとして場数を踏んだおかげなのか、本番になれば、落着くことができる。叩き始めたら、自然とリラックスできまして・・・お礼演奏は、本人としては結構うまくできたつもり。ケニー一家の皆さんも、よろこんでくれているようで・・・うん、やっぱりお礼はカタチにして返すとすっきりする。

 やってみて、ひとつ気づいた。ちゃんとカタチニして返礼ができる、っていう自信が自分の中にできると、他人からの優しさを、ちゃんと正面から受け止める心構えができるようになるってことに。ちゃんとお返しできるって思いがあるから、どんな優しさも受け止められるっていうか。それがなかった今までのオイラは、いただく優しさに対して、どこか遠慮というか、引け目を感じてしてしまうところがあった。

 誰かから優しさ玉をいただき、それに対して、返礼義務を感じるのに、返礼義務を怠り、優しさ玉を自分の中に貯めすぎちゃって、バランスが悪くなってきちゃっていたのだ。こういう感覚って・・・社会的動物としての人間の摂理なんすかね。














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