Siete Lagos
今のところのベストルート。そしてこれが理想の旅スタイル(に近い)

2010.10.07 / Argentina (San Martin de Los Andes~Lago Villarino畔) 本日 自転車57km走行 : Total 22547km走行
天気:晴 自転車折りたたみ:1
朝飯→パン 昼飯→ハム&チーズサンド 夕飯→ハム&チーズサンド / 宿→無料キャンプ場

(English)
 Today I run on the road of "Siete Lagos". This road was fantastic road! I think this is best route.



(Español)
 Hoy corro en el camino de "Siete Lagos." ¡Este camino era el camino fantástico! Pienso que ésta es la ruta mejor.
 サン・マルティン・デ・ロス・アンデス、いい感じの町でして。いつもの<予定なし走り>モードだったら、確実にここで延泊してたことでしょう。しかし、今回は、ちょいと急ぎモード。天気も快晴だったので、本日サン・マルティンを出発することに。

 さて、町を出ようとして驚いた。町の前に横たわっているラカル湖があまりにもきれいで・・・昨日夕暮れ時に見たラカル湖とは大違い。深い青色の湖面が美しすぎる。いやぁ、湖鑑賞のベストタイムって明け方や夕暮れではないんですね。快晴の青空の下、太陽がサンサンと降り注いでいる時間がいいみたいです。

 そんなラカル湖の周りをグルッと回りながら道が続いているのですが・・・10m進むごとに、湖が表情を変えていくのですよ。ちょっと走って横を見ると、先ほどのラカル湖とは違うラカル湖が見えまして・・・この違った表情を写真に収めるべく、10mごとに立ち止まることに。いやいや、全然前に進めませぬ。

 ほとんど距離が進んでいないのに、時間だけが経っていく・・・まぁ、今日はいいんです、こんな感じで。というのも、ここサン・マルティンから、次の目的地であるビジャ・ラ・アンゴストゥーラまでの道は<シエテ・ラゴス(7つの湖)>と呼ばれる、絶景ロードなのですよ。湖が多いこの地帯の中でも特に美しい湖が道沿いに並んでいるという。そんな素敵な道を足早に駆け抜けちゃうのはもったいないじゃないですか。ビジャ・ラ・アンゴストゥーラまで120kmほどなんですけど、ここはのんびりと、2日コースってことで走ろうと思ってまして。一日60kmくらい進めればいいかなという計算なので、普段の100km走りのペースから考えれば、相当ノンビリしても大丈夫。

 さて、ラカル湖を後にして、しばらく登り坂をのぼる。ひたすら上り続けるこの道はなかなかタフだったんですが・・・ここも景色が素晴らしすぎて、疲れてなんかいられない。白い雪帽子をかぶったアンデスの山々がずぅっと続いているんです。アンデスの風景という意味ではペルーのワラスの方がよかったんですが、あそこは標高3,000m越えの世界。落ち着いて風景を見るより、息をアップアップさせていた時間の方が多かった・・・その点、ここは、標高が1,000m前後で、走りやすい。落ち着いてこの素晴らしい風景を満喫することができるのですよ。

 アンデス写真も撮りまくってしまい、遅々として前に進めない状態だったのですが、しばらくすると、前方に、水面が見えてきた。第2の湖マチョニコ湖デス。この湖も湖面が真っ青。ため息がでるほどの美しさ。テンションあがりますよぉ。それにしても、チリのビクトリアからたくさん湖を見てきて、あんまり心が動かなかったのに・・・今日のこの気持ちの盛り上がりはなんだ?う~ん、きっと感動するには、天気、体調、自転車の調子等、いろんなファクターが絡んでくるんですよ。で、今日は、それらのファクターが全てうまく駆動している日なんですきっと。

 マチョニコ湖を後にして、しばらく走っていると<エルモソ湖はコチラ>と書かれた看板が見えてきた。どうやら次の湖であるエルモソ湖は、道脇を入っていかないと見れないらしい。しかも、2kmも入り込まないといけないらしく・・・うぬぬ、めんどくさい。いつもだったら完全スルーなのですが、今日はすこぶる気分がいい。しかも、テンションが高い。行ってしまえぇ~と、脇道へ突入。と、勢いで突入したのはいいのですが、この脇道、えらく悪路でして。ボコボコ穴とぬかるみがやっかいで、車ですらスピードが出せず、ノロノロ運転を余儀なくされる道。がんばって進んでいると、向こう側にキラキラ光る水面が・・・到着しましたエルモソ湖。いやぁ、ここも素晴らしかった。湖の湖畔、水際までファニーバニーを走らせ記念撮影。

 再び悪路を通って、もと来た道へ引き返す。またしばらくアンデス風景が広がる道を走る。途中、素敵な滝などを横目に見ながら、次の湖、ファルクネール湖に向かってノンビリ走る。ファルクネール湖の隣の湖であるビジャリノ湖に、無料のキャンプ場があるらしく、今日はそこでテント泊するつもりなのだ。時間もちょうどいい感じ。で、ファルクネール湖に到着したところ、この湖の湖畔にキャンプ場らしき施設を発見。あれ?ファルクネール湖でキャンプできるのか?と思ってキャンプ場の入り口に行ってみると、門にガッツリ錠がはめてある。どうやら、オフシーズンの今は営業していないみたいだ。しかも、入り口に値段表みたいなのがあったので、たぶん、ここは有料のキャンプ場。やっぱり無料のキャンプ場は隣の湖にあるのかと、ファルクネール湖を後にして、隣のビジャリノ湖へ。川を通り過ぎたところに、発見、キャンプ場の看板。ということで、今日はここ、ビジャリノ湖のほとりにテントを張り、一夜を過ごします。ちなみに、一応キャンプ場と記してますが、<ここでキャンプしてもいいですよ>と書かれた看板があるだけの場所で、トイレもシャワーも何もありません。ただ、場所があるだけのトコロです。

 と、いつもどおりテントを張り終え、荷物をテント内に収納したところで、今日は非常に何かをしたくてウズウズ気分になってまして。いつもだったら、テント内で横になってそのまま寝ちゃうんですけど・・・周囲を見渡すと、枯れ木がゴロゴロ。ん、これはいい焚き木になるのでは?と思い、この旅初となる焚き火に挑戦することにしたのでした。もちろん、ガソリンストーブはあるんですけど、ココはあえて焚き火で・・・ええ、アウトドアといえば、キャンプファイヤーでしょ。

 まず、おそらく前の人が作ったのであろう石の風除けをそのまま利用させてもらうことにして、そこに、周囲から拾ってきた枯葉や小枝を敷き詰める。その上にちょいと大きめの枝を矢倉状に並べ、火のつきやすい枯葉や小枝から、大きめの枝に火が移るようにする。ライターで、枯葉に火をつけ、枝に火が移るのを期待するも・・・なかなかうまくいかない。3,4回、枯葉と小枝を敷き詰めなおし、ようやくいい感じで火が回り、大きな枝木に火がついた。これくらいの木に火がつけば、火種として十分。後は、適当に木を継ぎ足しながら、火力を調整。

 で、せっかく火を起こしたのはいいのだが、あいにく、火で焼いて食べるようなモノを手持ちで持っていない。あぁ、こんなことなら、バーベキュー用の肉を買ってくるんだったなぁ・・・肉を刺すカクテル棒なら、プコンで仕入れてきたのに。とにかく、何か焼いて食べたい気分になっちゃったオイラは、カバンの中をゴソゴソ・・・すると、プエルト・フイで、スライスがなかったので、しょうがなしに塊で買ってきたチーズが出てきた。おぉ!焼きチーズにして食べてみよう、と、カクテル棒にチーズ塊を刺し、火で炙る。チーズは焼けるというより、とろけてきた。あぁ、やりすぎると、全部火の中に落っこちちゃう!と、溶けたチーズを慌ててパクリ。う、うまい!!!あああ、一日素敵な道を気持ちよく走り、美しい湖の畔にテントを張って、すばらしい夕焼けを見ながら、焚き火で炙った激ウマチーズをパクつくなんて・・・これ以上の幸せがどこにあるというのでしょう。これこれ、こういうことをやりたくて、自転車で旅にでたんです。3年目にしてようやく、理想としてきた旅に近づけてきました。

 あ~、今日は最高の一日だったと言い切ろう。